JRA競馬学校「厩務員課程」を目指すには!!

JRA厩務員になるには、乗馬経験1年以上、
牧場実務経験1年以上の計2年以上が必要となります。
競走馬の育成牧場就職には、馬の技術や知識がほとんどの牧場で必要です。

厩務員になるためには、JRA競馬学校の厩務員課程を受験し合格し、その後JRA競馬学校の厩務員課程(6か月間)の厩務員課程を卒業し、調教師が運営する所属厩舎が決定してからJRAの厩務員としてデビューすることになります。そのJRA競馬学校の厩務員課程受験には、いくつかの受験資格があります。

JRA競馬学校「厩務員課程」の応募資格として「28歳未満であること」「体重が60kg以下(または65kg以下)」「健康であること」「中学卒業以上の学歴があること」などがあげられます。しかし、実はもう一つ大切なことがあります。それは、乗馬経験1年以上、牧場での競走馬の育成経験が1年以上のあわせて2年以上が必要になることです。

ここで記載されている条件としての、育成経験1年以上という牧場での実務経験を積む過程で、何をどのようにするかにもよって、その先が大きく変わってくるのです。つまり、週に3回程度だけしか競走馬に騎乗しない育成牧場と、毎日3頭以上もの調教に騎乗する牧場では、当然ながら同じ1年でもそのキャリアと経験は大きく変わってきます。また、回数だけでなく、牧場自体の施設の大きさ、馬場の大きさなどによっても、1周400~500m程度の走路がある牧場と、1周1000~1400mの走路や坂路(ハンロ)コースなどが備わった牧場では、馬を走らせるスピードなどもちがってきます。実際に、JRA競馬学校の厩務員課程を受験するうえでの願書にも、それら牧場の大きさ、一日に騎乗する馬の頭数や調教内容などを記載することになっています。ですから、「最初の牧場選びがとても大切で、厩務員合格の有無を決定する分かれ目…」といっても過言ではありません。また、近年、JRA競馬学校「厩務員課程」受験時に調教師推薦という制度が取り入れられるようになった今、牧場時代にしっかり調教師さんとのコネクションを築きあげられるかどうかも重要な要素といえるでしょう。

厩務員とはどんなお仕事ですか!?

厩務員とは、調教師が経営する厩舎で競走馬の管理やお世話をする従業員のことを意味します。一般的な認識では、「厩舎=会社」「調教師=社長」であり、つまり調教師(社長)が経営する厩舎(会社)で働く従業員を厩務員と呼んでいることになります。したがって、調教師は名前のように毎日、直接馬に騎乗して調教を行うということよりも、競走馬を管理する厩舎の責任者という立場で日々の業務にあたります。

具体的な厩務員の仕事としては、「競走馬の厩舎(馬小屋)管理」「馬の健康管理」「馬の飼養(エアの調合)管理」「馬の調教(馬のトレーニング)の準備と準備運動」など、担当する2頭の現役競走馬の管理を行います。また、厩務員でも調教厩務員という厩務員は、通常の厩務員の業務のほかに、その担当する2頭の調教にも騎乗します。調教厩務員とは、「乗り役厩務員」と呼ばれることがあります。さらに厩務員も調教厩務員も、自分の担当する競走馬が競馬場でレースに参加する場合は、馬と一緒に競馬場に出向きます。その間は競馬場内で担当する競走馬の管理を行っています。

厩務員のお給料はいくらもらえるの!?

JRA厩務員の基本的な平均年収は、約400~800万円であると言われます。さらに、自分が担当する競走馬がレースで活躍した場合、原則として賞金の5%が厩務員に入ります(厩舎により多少違う場合もあります)。ですから、強い競走馬を担当していれば、年収を大きくアップさせることができるのです。また、厩務員などは、労働組合を持っているため、雇用者からの一方的な解雇や給与ダウンなどは労働組合が対応しますので、馬をあつかう仕事のなかでも、従業員の雇用はしっかり守られています。さらに自分のこれからの頑張り次第では、厩務員⇒調教厩務員⇒調教助手⇒調教師というように、ステップアップを図っていくことも可能です。

JRA日本中央競馬会「競馬学校の厩務員課程」
第一次試験の内容

JRA競馬学校の厩務員課程の第一次試験は、競馬学校、栗東トレーニングセンター、北海道の静内町、計3か所で行われます。試験は体重測定から始まり、筆記試験「中学卒業程度の社会と国語、そして競馬に関する一般知識(競馬一般)」などが出題されます。
競馬一般とは、(昨年、重賞レースで勝った競走馬と騎手を3頭述べよ!)(各競馬場は、右回りか左回りか!?)など、競馬に関する全般から出題されるので、普段からしっかり競馬やレースを把握しておく必要があります。その筆記試験のあとは、作文が行われ、身体測定と運動機能検査で一次試験は終了となります。

第二次試験の内容

第二次試験では、JRA競馬学校の厩務員課程の第一次試験を合格者のみを対象に、競馬学校での合宿形式で行われます。まず体重測定があり、その後騎乗適性検査が行われ、基本の乗馬技術が重要視される傾向にあります。長年、鐙を短くしての競走騎乗、モンキー乗りなどを行っていると、いざ基本の乗馬と言われてもなかなか思い出せず、この騎乗適性検査で多数の不合格者が決まる可能性があります。育成牧場での実務経験者であっても、厩務員課程受験の事前には、必ず基本乗馬姿勢をトレーニングしてから受験に挑むことが望ましいと言えるでしょう。騎乗適性検査が終了すると、性格適性検査が行われ、そして最後に面接が行われます。特に出願時に記載した願書などの根拠づけが重要だと言えるでしょう。最後に、第二次試験を通過した後、競馬保安組合による身辺調査が行われます。その後、総合的な結果を受けて合否通知が郵送で送られてくるでしょう。

地方競馬の厩務員になるには

地方競馬の厩務員になるには、実はJRA競馬学校のような厩務員課程受験などはありません。地方競馬にも競馬学校がありますが、地方競馬教養センターは「騎手課程」のみとなっているので、地方競馬の場合はその各地方競馬の厩舎を運営する調教師との直接の雇用契約となっています。競馬学校がない分、競走馬を扱える即戦力を求められることから、牧場での実務経験は必要となるでしょう。

調教厩務員、厩務員になるには!?

ワンポイントアドバイス!

今や、馬を扱う職業のなかで、一番若者に人気の職種が「厩務員」です。体重制限、年齢制限も騎手に比べてかなり余裕があります。また、労働組合があるので、雇用環境はとても充実し監督が農林水産省ですので、馬業界のお役所の職員…。という認識さえもたらせる職種です。それゆえ、競争率も激しく、JRAの競馬学校「厩務員課程」を受験する前から、育成牧場での実務経験が求められています。しかし、一方で育成牧場の雇用者としての立場から考えると、それぞれの牧場は厩務員受験者のための専門学校や養成学校ではなく、牧場業務に対して競走馬の育成に誇りをもって日々業務を行っています。簡単に「JRA厩務員を受験するのを前提で就職を希望しても、採用辞退を拒む牧場も少なくありません。」それもそのはず、ちょうど、牧場業務に慣れてきた1~2年が経過するころに厩務員を受験するために人材がいなくなり、そしてまた新しい人材が入ってきて1から指導し、そして1~2年でまたいなくなる…。という状況は、牧場雇用者としても避けたいところだと思います。反面、あえてそうしたJRA厩務員を目指す若者を集めている牧場もあるのも事実です。ですから、自分の進路ややりたい事にあわせて、しっかり就職活動をしなければなりません。また、ほとんどの育成牧場就職条件として「馬を扱える技術と知識(即戦力の必要性)」が重要視されており、即戦力として活躍できる人材を求めていることから、「未経験者がいきなり育成牧場に飛び込み、1~2年が経過したらJRA競馬学校の厩務員課程を受験する-----。」というシナリオが通用するほど、甘い世界ではありません。しかしながら、厩務員課程受験までの牧場就職を目指すための経験や知識を積むために、高校授業と連動した専門的な授業カリキュラムを取り入れた高校、それが、東関東馬事高等学院です。

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